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炎炎ノ消防隊 短編集

第10章 ⑩相模屋紺炉 切甘


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『………また、いらしたんですか?』

不思議そうにこちらを向くは、前と変わらず綺麗で俺はいつも見惚れちまう。あれから、1ヶ月が経つが毎日ここへ来ている。ただ違うのは、そのあと笑わねェことだ。いつも優しく笑ってくれて、そっとそばに来てくれる。俺が灰病になった時も『生きていてくれて、ありがとうございます』と涙を流してくれた。あぁ、俺ァ幸せもんだ。そう思っている。変わることはねェはずだと思ってた。

なのに…

「まぁな。お前さんには世話になりっぱなしだったから、恩返しなのさ」
『…では、何故』

悲しそうに、私を見るのですか?

悲しいさ。俺の事を忘れちまったを見てるのが。

「…そんなに、悲しそうに見えるかい?」
『違いましたか?貴方は私のことを知ってるようですが…私は、貴方のなんなのでしょうか?』

言葉に詰まっちまった。誰か?そんなの、俺の方が聞きてェ…

「……言っちまったら、お前さんは困るかもしれねェ」
『…どうしてですか?』
「もう少し…待っててくれねェか?」
『嫌です』

即答された。こういうところは変わらねェな。その途端、俯いていた俺の目の前にの顔があり驚いた。

「っ!?」
『思い出したいんです。紺炉さんのこと。だから、私にもっと触れて下さい』
「っ!」

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