第11章 ⑪相模屋紺炉 甘 ⑩の続編
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目の前でいきなり倒れた身体を地面に着く前に抱き止め、声をかけるが全く意識がない。顔色も悪く、冷や汗もかいている。いったい、どうしたんだ
急いで医者のところに見せに行くと、嬉しそうに話し始めた。
「懐妊ですね。三ヶ月というところですかね。ゆっくり寝せてあげて、食べられる物を…」
懐妊…つまり、子供が…
『…んっ』
「大丈夫かい?気分は?」
『えっと…だ…ダメです。何故、紺炉さんが…』
「その感じからすると、お前さんには心当たりがあったんだな」
『…ごめんなさい。黙っていたわけではないんです。確信が持てなくて…』
きっと、一人で悩んでいたンだろうな。この顔は、いつもより幼く見える。怒られた子供のようだ。
「怒ってねェし、寧ろ喜ばしいじゃねェか。俺の子を身籠ってくれたんだろ?俺ァ嬉しいが、は嬉しくねェのか?」
『産んでもいいんですか?』
「産んでくれるんだろ?」
側に座り肩を抱き寄せて頭を撫でてやる。さっきよりは顔色も幾分良くなった。
「俺ァな、お前さんと一緒になって幸せだ。この間の記憶喪失の時に再確認したんだ。子供が出来たってンなら、これ以上の幸せはねェよ。も赤ン坊も守ってやるからよ。心配しねェで産んでくれ」
(そンで?女か?男か?)
(まだ、わからないですから)
(服はどうする?こっちの)
(ですから、まだ早いです)
親バカ爆発紺炉さん(笑)