第8章 ⑦新門紅丸 ギャグ甘
「。お前、さっき一緒にいたのは誰だ」
『……どうしたんですか?急に…』
さっき一緒に歩いてたのは…
『あぁ!それなら、さっき付き合ってくれと言われたので、一緒に甘味屋で食べてきましたけど…何か?』
説明した途端、紅丸さんの眉間に深く皺が寄った。え、何?ダメだったのかな?
「……」
『…え、何でそんな怒っているんですか?』
いつもの5割増しで恐い顔をしている。「…わからねぇのか?あ"?」と普通の人が聞いたら逃げ出してしまうような声の低さである。
『えっ、と………ご、ごめんなさい?』
「わかってねェのに謝んな」
『…甘味屋で食べたこと?それとも、顔見知りとは言え付いて行ったこと?』
本当にわからない。最近の紅丸さんはとても優しいから甘え過ぎてしまったのか…
そう思っていたら、
「浮気したのに、随分と堂々としてやがんな」
え、浮気…うわき…ウワキ…誰と?
「さっきの男と浮気してやがったんだろ?」
『ち、違います!だって、私付き合ってる人いな「あ"?」いと思ってたんですけど…』
慌てて否定したが、紅丸さんはそれも気に入らないようだった。
ちなみに、今更だけど…ここは詰所の入口である。そんなところで、こんな会話してれば他の人も集まってくるのが必然で、時々野次が飛んでくる。「べにき、ちゃんに優しくしてやんな!」「これは、修羅場だな!!」
そうですよ。修羅場ってやつですよ!どうしようか悩んだ結果!私は疑問にぶち当たった。
『…ちなみに、それを気にするってことは私達…』
「…今更か」
全然知らない!だって、全くもって告白された覚えもないし…
「この間、二人で酒飲みして話しただろうが」
『…あ、その時の記憶たぶんないです』
「……っ!!」
あ、ブチ切れた。思わず屋根の上に飛んで逃げた。