第4章 人生万事塞翁が虎
ゲホッ ケホッ ケホッ
「あんた川に流されてて······大丈夫?」
「──助かったか······ちぇっ」
(···ちぇっ?今「ちぇっ」つったかこの人!?)
「君かい、私の入水を邪魔したのは?」
「僕はただ助けようと·······入水?」
「知らんかね、入水。自殺だよ」
「は?」
『おーい!僕ぅ〜!ありがとねー!!』
「へっ?あ、いえ!大丈夫です!」
「·····知り合い?」
『んーん!そこで会ったの。あんた引き摺りあげようと靴脱いでたら、代わりにドボン。』
「·····。」
ガシィっ
「へっ!?え、ああの!」
「ありがとう少年!君のお陰で彼女が濡れ服が透けた其の姿を世間に魅せる事無k(ゴッ
「〜〜ッ!」
「あ、あのぉ〜」
ぐうううぅ
「空腹かい少年?」
「実は·····ここ数日何も食べてなくて──」
ぐうううぅ
「奇遇だね、私もだ。」
「じゃあ!」
「ちなみに財布も流された。」
「えぇ?助けたお礼にご馳走っていう流れだと思ったのに」
「?」
「「?」じゃねえ!」
「·····猗憐さん···いえ、様!如何か『嫌よ』そこを何と『というか、私は散歩してたのよ?金なんて持ってる訳無いでしょう?』···。」
─おォーい
「こんな処に居ったか唐変木!」
「おー、国木田君、ご苦労様ぁ」
『ご苦労様ぁ!』
「苦労は凡てお前の所為だ、この自殺嗜癖!というか見つけたのなら連絡位しろ猗憐!お前達はどれだけ俺の計画を乱せば──」
「そうだ!良い事を思いついた。彼は私達の同僚なのだ。彼に奢ってもらおう。」
「へ?」
「聞けよ!」
『元気だねぇ、国木田くん』
「君、名前は?」
「中島·····敦ですけど」
『良い名だね』
ニコッ
ドキッ
女性の微笑みに赤面する敦
「···ついて来たまえ敦くん。何が食べたい?」
「はぁ···あの········できれば──」
『なぁに?遠慮しなくていいんだよ?』
「·······茶漬けが·····食べたいです」