第8章 運命論者の悲み
「減った三発分の銃弾についてどう言い訳するかをね」
「オイ杉本!お前が犯人の筈がない だから早く銃を渡せ!」
ス…
杉本巡査は銃をそっと取り出す
が
カチッ
「『マズい』」
「!」
その流れで銃を構えた
「行け敦君!」
「え!?」
太宰に押され飛び出す敦
咄嗟のことにも関わらず杉本巡査を締める
「お、やるねえ」
『うん、かっこいいよ敦くん!』
「放せ!僕は関係ない!」
「逃げても無駄だよ」
乱歩は膝をつけ頬杖しながら云った
「犯行時刻は昨日の早朝
場所はここから140米上流の造船所跡地」
「なっ 何故それを……!」
「そこに行けばある筈だ」
乱歩は立ち上がった
「君と 被害者の足跡が
消しきれなかった血痕も」
「どうして……バレるはずないのに……」
「続きは職場で聞こう。お前にとっては……元職場になるかも知れんが」
─────
ごめんなさい
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「世話になったな。それに……何だ、実力 疑って悪かった
難事件があったらまた頼む」
箕浦はバツが悪そう謝り、"次"を頼んだ
「僕の能力が必要になったらいつでもご用命を。次からは割引価格で良いよ」
始めの箕浦の態度を咎めること無く乱歩は笑顔でそう言った
─────
「凄かったですね乱歩さん!真逆全部中てちゃうなんて【超推理】本当に凄いです」
「『…………』」
興奮する敦の後ろで太宰と猗憐は考える
「半分……くらいは判ったかな。猗憐は?」
『私も、多分治と同じくらい』
「判った って……何がです?」
太宰と猗憐の発言に疑問を持った敦は聞いた
「だから先刻のだよ。乱歩さんがどうやって推理したか」
「え?だってそれは能力を使って……」
「君はまだ知らなかったか」
そして太宰は驚愕の事実を口にする