第8章 運命論者の悲み
─カツン
─カツン
敦が階段を降りていると紙を大量に持つ国木田に鉢合わせた
「「!」」
「こんな所に居ったか小僧。お前の所為で大わらわだ。手を貸せこいつを──」
話す国木田の横を敦はスッと通る
「おい?」
「······心配いりません。これでもう探偵社は安全です」
「······はぁ?」
走り出す敦
"天下のどこにもお前の居場所はありはせん!"
(その通りだ。僕は······)
─────
── 探偵社 ──
「珍しいねェ。アンタが一人なンて。太宰の奴はどうしたんだい?」
『知りませんあんな奴!もう!慰めて下さいよ与謝野先生〜』
「珍しいな。喧嘩したのか?」
『むぅ。そんな所です。』
与謝野に抱き着き頭を撫でられ心地良さそうに目を細める猗憐
「猗憐ちゃん!僕が慰めてあげよう!この駄菓子いる?僕のイチオシだよ!」
『うう、乱歩さんが呉れるなんて······ありがとうございます······』
「うんうん。僕は君には特別やさしいからね!どうだい?僕と一緒になろう!」
『聞いて下さいよ与謝野先生!治の奴──』
「「「······」」」
社員の誰しもが乱歩に無視をする事は無いが
猗憐はどうだろう。
素晴らしい対応だ。
余り良くない意味で·····
── 襲撃まであと少し ──