第6章 ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス
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パキッ
「何ッ······」
重力に反し側面の壁に四つん這いになる敦
そして見る内に喰い千切られた脚が再生していく
「そうこなくては」
そう云った芥川の前に居たのは
白虎
グオォオオ
「【羅生門】」
飛び掛る白虎──敦に芥川の黒獣が再び脚を喰い千切る
が、
「再生能力!しかも之程の高速で──!」
「芥川先輩!」
「退っていろ樋口。お前では手に負えぬ」
そう云い樋口を阻止する
「疾いッ」
余りの疾さに羅生門を出すも弾かれ壁に背をぶつける
「がはッ」
「おのれ!」
樋口が咄嗟に銃で応戦するが
「銃弾が通らない······!?」
敦は樋口を視界に捕らえる
「──っ」
「何をしている樋口!」
【羅生門・顎】
樋口に襲い掛かる敦
寸前で芥川の黒獣が白虎の躰を両断した
「ち······生け捕りの筈が」
然し、サアァァと消える両断された白虎
「【細雪】······!」
「!」
驚き振り向く芥川
そこにはニッと不敵に笑む谷崎
「今裂いた虎は虚像か!では──」
背後の気配に気付き邪笑し乍ら振り返り、
「【羅生門・叢】──!」
白虎と黒獣が衝突する──
寸前。
「はぁーい。そこまでー。」