第6章 ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス
───
ぱちっ
突然目を開ける太宰
「おい太宰いい加減仕事を──あれ?」
国木田が書類を手に 云い乍ら振り向いた
が、
先程まで居たそこに太宰は居なかった
『国木田くん!治は!?』
少し前に無理矢理遣わされ出ていた猗憐は走った様で息を切らしていた
「いや、居ない。先刻までそこに居た筈だが······って、おい!何処へ行く猗憐!」
国木田が話し終わらぬ内に外へ飛び出す猗憐
外へ出た猗憐は社の入っているビルを
"駆け上がり" 屋上から隣のビルの屋上へと
軽やかに跳躍し 駆ける
『もうっ···どうしてッ······!』