第6章 ヨコハマ ギヤングスタア パラダヰス
── 街道 ──
依頼人に道案内され現場へ向かう敦と谷崎兄妹
「アハハ それは脅されましたねェ」
「笑い事じゃないですよう。兇悪なマフィアとか直に死ぬぞとか······途んでもない処に入っちゃった」
はぁ···と溜息を着く敦
「まァまァ」
そんな敦に苦笑する谷崎
「ボクでも続けられてる位だから大丈夫ですッて」
「でも 谷崎さんも«能力者»なのでしょう?どんな力です?」
「や、あんまり期待しないで下さいよ。戦闘向きじゃないンですから。」
「うふふ······」
頭を搔く谷崎の腕に絡み付くナオミ
「兄様の能力素敵ですよ。ナオミあれ大好き♡」
「止めなッてナオミ······こんな処で」
「あら口応え?生意気な口はどの口かしら」
谷崎の口にツツと小指を這わせるナオミにぞわわとする谷崎と顔を赤くする敦
「着きました」
連れられたのは袋小路になった暗い路地裏
「なんか······鬼魅の悪い処ですね」
辺りを伺いながら云う敦
「······おかしい」
谷崎は顎に手を当て云った
「本当に此処なンですか?ええと──」
「樋口です」
「樋口さん、無法者と云うのは臆病な連中で──大抵 取引場所に逃げ道を用意しておくモノです。でも此処はホラ
捕り方があっちから来たら逃げ場がない。」
今来た道を指差す谷崎
「その通りです」
襯衣の鈕を一つ二つ程外し蜂蜜色の髪を結い上げ乍ら云った
「失礼とは存じますが嵌めさせて頂きました。
私の目的は──
──貴方がたです」
ピッ
「芥川先輩?予定通り捕らえました。これより処分します」
「芥川······だって?」
"「重畳。五分で向かう」"
「我が主の為──ここで死んで頂きます」
そう云い敦達に銃を向けた
「こいつ······」
「ポートマフィア······!」
ドガガガガガガガガッ