第5章 或る爆弾
処変わって探偵社
───
「嫌だァ········もう嫌だ········ぜんぶお前等の所為だ·······《武装探偵社》が悪いンだ!」
装置を片手に身体を震わせる爆弾魔
「社長は何処だ 早く出せ!でないと──
爆弾で皆吹っ飛んで死ンじゃうよ!」
「あちゃー」
『わぁお 熱烈』
「怨恨だ」
「犯人は探偵社に恨みがあって社長に会わせないと爆破するぞ と」
「ウチは色んな処から恨み買うからねぇ」
『ねぇ、あれ』
「うん·····高性能爆薬だ。この部屋くらいは吹き飛んじゃうね」
爆弾魔の足元に目をやる二人
「爆弾に何か被せて爆風を抑えるって手もあるけど······」
『この状況じゃ無理』
「どうする?」
「会わせてあげたら?社長に」
「殺そうとするに決まってるだろ!それに社長は出張だ」
『と なると·····?』
「ああ。人質をどうにかしないと」
ばっ
構える国木田と太宰
『ふわぁ〜ぁ』
ポン
チョキ/チョキ
ぽん
パー/パー
ぽん
にたぁ
──石拳の結果
道を開ける太宰
わなわなと震える国木田
「チッ」
「おい 落ち着け少年」
説得にかかる国木田
しかし、
「来るなァ!吹き飛ばすよ!」
起爆装置を向ける爆弾魔
手を挙げる国木田
「知ってるぞ アンタは国木田だ!アンタもあの嫌味な«能力»とやらを使うンだろ!?」
熟知している爆弾魔
「妙な素振りをしたら皆道連れだ!」
「まずいね これは」
『さっすが 探偵社に私怨を持つだけあって社員の顔と名前を調べてるね!』
「うん。社員の私達が行っても余計警戒されるだけか······却説どうしたものか」
太宰と猗憐は敦に目をやった
にやぁ
敦は青ざめ顔を引き攣らせた