第5章 或る爆弾
「どうして猗憐さんに助けてもらわなかったんですか?」
「敦君が来たこと気付いてなかっただろう?彼女少し抜けてるんだ」
『抜けてない!唯でさえ眠たいのに朝一から家に押し掛けてなんて云ったと思う?「良い自殺法を見つけたから看取って欲しい」だよ!?有り得ない!』
「あ、あはは·····」
『笑い事じゃ無いよ!嫌って云ったんだけどね!「なら心中してくれ」って!』
「······ど 同僚のかたに救援を求めなかったのですか?」
「求めたよ。でも私が「死にそうなのだ」と助けを請うた時何と答えたと思う?」
「死ねばいいじゃん」
「御明答」
『普段の行いの所為』
敦に仕事を斡旋すると探偵社へ向かう三人
「ここに居ったかァ!」
話している太宰を遮り叫ぶ声
「この包帯無駄遣い装置!」
「······国木田君今の呼称はどうかと思う」
ちょっと傷つく太宰
『ふはっ あははは!』
ツボに入った猗憐
「この非常事態に何をとろとろ歩いて居るのだ!疾く来い!」
「朝から元気だなあ あんまり怒鳴ると悪い体内物質が分泌されてそのうち痔に罹るよ」
「何 本当か!?」
「メモしておくといい」
嘘と知った国木田に締められる太宰
「あの······「非常事態」って?」
「そうだった!探偵社に来い!人手が要る!」
「何で?」
「爆弾魔が人質を連れて探偵社に立て篭った!」