第1章 彼女の名前は*
聖処女とミシェルは呼ばれている。
塔の上、寝具と机と椅子、湯浴みできる個室がひとつなぎになった狭い狭いそこにミシェルは監禁されている。
ミシェルの国では聖なる少女をこうして塔に閉じ込め、生贄として天に捧げられることで国が豊かになると言われている。
だが破綻した点もあって、王族は初夜権を持つ。
ゆえにミシェルは国の王子、レンに犯されるのだ。
ミシェルの母は生涯誰とも交わらずにミシェルを産んだ。
男の子種がなければ子は産まれない。
母は夢の中でいやしい夢魔と交わり、ミシェルを孕んだ。
人間の父を持たないミシェルはその出自から聖処女と呼ばれ、塔に閉じ込められた。
塔の鉄扉は、永遠に開くことはない。
「やあ、ミシェル。……と、ずいぶんまぁ、ハデに犯されたねぇ……。後処理もしないで自分は国に戻ったのか」
「……っあ、んっ……」
開かれたままのミシェルのそこはレンの白濁とミシェル自身の愛液で潤沢し、今もまだレンの精液を流し続けている。
塔の下の国の外交官、レグルがミシェルに歩み寄ると、ミシェルは絶頂後気絶し、しかし身体はまだ快楽に震えていた。
「––––はぁ、もぉ」
レグルは口を使って白手袋を外すと、ミシェルを抱きかかえ湯浴みの場所へと向かった。