第1章 壱ノ型
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ピピピッピピピッピピピッ
聞きなれた音が聞こえた
私はいつもの様にアラームを止める
変な夢を見たな・・・
家のドアを開けたら床がなくて堕ちてゆく夢、やけに浮遊感がリアルで気持ち悪かった
早く学校に行く準備しなきゃ。
キッチンに行くとお母さんが朝ごはんとお弁当の準備をしていたから何故か安心した
『おはよう。お母さん』
『おはよう!鈴音今日は寝坊せず起きれたのね!』
変な夢見たからね・・・汗
『うん、今日は目覚めが良くって・・・』
『じゃあ早く準備して朝ごはん食べちゃいなさい!お弁当はここに置いておくね!』
洗面所に行って肩甲骨くらいまで伸びた髪を櫛(くし)とヘアアイロンでとかす
制服に袖を通して朝ごはんであるサンドイッチを口に運ぶ
『最近、この付近に変質者が出てるらしいわよ・・・お願いだから気をつけてね!』
皿洗いをしながら母から言われる
変質者か。年末は変な人が増えるし嫌なことだ
『わかった!なるべく気をつける!じゃあ行ってきます!お母さん!』
『うん!いってらっしゃい!新しいクラスでもしっかりするのよ!』
最後に母が言った意味が私にはどうも分からなかった。
違和感を感じたのは学校に入る直後の校門前だった