第2章 真昼
「わかりました話します……家を追い出されたんですよ」
しらっと告げる私を、今度は怪訝そうに眺める赤司くん。
他の人みたいに同情するような気持ちは微塵も感じられない
が、
何がどうしてそんなことになったんだよ、的なことを聞きたそうな顔はしている。
「家出?」
「違います、“追い出された”です」
正確には、つまみだされたという表現があっている気がする
「大丈夫なのか」
そりゃ、大丈夫じゃないです
だって困っているのは“私だけじゃ”ないですから。
「全然大丈夫です」
表情も変えずにすっぱり言い切るが、
赤司くんの目は疑いの色を灯したまま。
そして、その目は私の___右手に向けられる
「………それでも大丈夫なのか?」
私の………右手に繋がれている小さな手を見てそう言った。