第7章 寂しい
ーー
「………そのじゃがいもは?
待て、どうしてシーチキンが出てきた」←
「え」
おとなしく隣にきて見ていたら、冷蔵庫から出していたじゃがいもをボールにいれて潰し始めたかと思えば
そこにシーチキンを投入した真珠
「コロッケです。おばあちゃんにいつも作ってもらってたんですよ
いつも作っている最中のおばあちゃんのところに行って、生で食べてました」
食べます?とスプーンに“生”のじゃがいも&シーチキンの塊を僕につきだした
「じゃがいもって生で食べれるのか?」←
「安心してください。食べ続けて20年、これが原因で腹を下したことはありません!」
「いやそういう問題じゃ……」
「大丈夫ですってば」
そして真珠は有無言わさず、僕の口に容赦なく塊を突っ込んだ←
「どうですか、おいしいでしょ?」
確かに、不味くはなくて言われた通り美味しい。
が、それを口にする前に
真珠の、何かを懐かしんでいるような
それでも、それを無意識に隠して笑っている真珠の笑顔に見とれてしまった。