第6章 触り心地
「赤司くん、赤司くん」
さっき、さつきちゃんと買い物をしてるときに通って
気になった場所がある。
「あの、ゲームセンターに行きたいです」
「ゲームセンター?
さすがの赤司くんもびっくりしたみたいです。
私が急に言い出しますからね。
「私、一度しか行ったこと無いんです」
小学校のときに、おばあちゃんに連れられて来たゲームセンター。
近場の小さなゲームセンターだってけれども、あの日行ったことは忘れられない。
あの日、帰ったあと
私のお母さんが、おばあちゃんに怒っていたことも忘れられない。
いまでは、そのとき私には理解できなかった家の事情がわかるうえで
もう一度、ゲームセンターに行きたいと思った。
わがままだけど。
断られるかな、赤司くん騒がしいとこ好きそうじゃないですし……
と心配していたが、赤司くんは対象に微笑んだ。
「いいよ、行こうか」