第5章 欲しい?
「………それで、真昼くんとは親戚かなにかなの?」
買い物の手が途切れたところでさつきちゃんが訊いてきた。
「えと………」
ここでは、とても話しにくい。
家を追い出された挙げ句
子供を無責任拾って、赤司くんの家に居候しているなんて。
しかも、私たちは暮らしはじめて間もなくて
真昼のことはなにも知らないことなんて………
「ここでは……言いにくいんですが…」
「そっか」
どうして、さつきちゃんはそんな心配そうな顔してるんでしょうかね。
私には、よくわからない。
「どうして、心配そうな顔をしてるんですか?」
「…え?」
私が尋ねてから、パチンとほっぺたを押さえたさつきちゃん。
「やだ恥ずかしい!顔に出てた?」
「もろ出てましたよ?」
「そりゃ、心配だよ」