• テキストサイズ

ベールは裂けない *イケメン戦国*

第1章 一



「…………あのさぁ」


先輩が静かな声で問い掛ける。


「泣くくらい悔しいくせに、何でその意地は通すの?」

「………っ」

「誰かに妬まれる才能を捨てるな。誇りに思え!」


捨てるくらいなら私にくれ、と優しく笑った。


「…せんぱい……っ」

「あんたは、コンペの事だけ考えな。有給、丸々あったよね」

「…あります、けど……」


きっと、主任は通してくれない。
今までも、何回か申請したことがあったのに、全て無かったことにされた。


「お局なら通さないだろうね。だけど私、あいつより上にちょっとしたコネがあるから、申請は通すよ。有給取らせないのはコンプライアンス違反になるからね」


悪戯っ子みたいに、ニカッと笑う。
誰も主任には逆らえないのに、先輩大丈夫なのかな……立場とか…


「私の立場が心配ですって顔してるぞ、。まだ分からんかぁ、このバカちんがぁ~」

「……ぷっ」


ボブの髪を耳に掻き上げながらそのモノマネはズルい。吹き出すしかないよ。


「やっと笑ったか。僻み根性丸出しのやつらに負けるじゃない。あんたには、今すぐにでもやらなきゃいけないことがあるでしょ?」


私がコンペにあんたを連れていく。

あんたは、あんたにしか出来ないことをしな。

他の誰でもなくが選ばれたのは、神様のイタズラでも偶然でもない、実力だよ。

私は、コンペでの作品が見たい。

生き生きと、堂々と舞台に立つが見たい。

こんなに成長しました先輩!ってところ、私にみせてくれてもいいでしょ?

さて、ここで問題です。


「今のあんたに、やっかみを気にしてる暇があるの?」


 *****
/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp