第5章 火影様の企み
『えっええっ!?』
な、終えずとも良いって、そ、それは どっ、どういう…?!
すると察したらしいカカシさんが横で頭を抱える
「なるほど
仕込みはそこからだったんですね
…思った通りだ
これは、中断してここへ来て正解だったな」
『なっ、なっ……』
「中断?
なんじゃ、最後までしてないのか?
お主達」
き────
昨日までの私のあの苦難は、一体何だったの…?
「つまりは……
彼女に「色」を会得させるつもりなど端からなかったって事ですよね?」
そ、それって、くノ一の「色」の修練に臨めば私の本音が、出ると思って?
それで突然、突拍子も無いあんな命令を……ってこと?
そんな────
い、粋な計らい過ぎます、綱手様!
「まあ、あっても役立つスキルだ、続行しても構わんが
……お前に「色」は不向きだろう?
好きでもない男相手に
到底色気を振りまけるとは思えん。
明らかに適性は掛けておるな」
『つッ、なで、さま?』
で、でも私…修行だと思ったからこそ、か、カカシさんの前で、散々、か、数々の恥ずかしい事を…
タラタラと冷や汗が出てくる
一体、な、何のために…
穴があったら、入りたい気持ちでいっぱいになる
「まぁ、最後までしていないとは言え、さぞや濃密な半月であったろうのう?花
カカシの指導は、優秀であったか?」
『ひ、酷いです…綱手様』
半泣き状態の私に綱手が口を開く
「はっ、な〜にが酷いもんか、
お前は奥手すぎてあのままだったら一体何年この調子で行くか分かったもんじゃなかったろう」
『そっ、…んなことは』
何年って…
いや、でも、
確かに今回のことがなければ…告白するなんて
そんな考え 頭に浮かびすらしなかっただろう