第4章 最終修練
「花ちゃん?!」
『か、かしさん
じゃあ、私達…お互いに?』
ふっと彼が甘く笑って溜息をつく
「そう、みたいだね
これは、五代目にしてやられたな」
その笑顔を見て、私もつられてふと笑顔が溢れる
『はい、夢…みたい、です』
と、カカシさんが突然真剣な表情になると、私をその場に組み敷いた
『きゃ…っ!』
「ねぇ
君はどうしても、この修練を終わらせる気かい?」
『え?』
「くノ一の秘儀なんて
君にはそんな技無くても、立派に医療忍者としてやってるじゃないか
それをなんだってこんな時期に「色」なんか修得する必要があるんだ?
一体綱手様の言っている、君にしか任せられない任務って…」
『……それは分かりません』
グッと唇を噛む
私だってこの先「色」を得たくノ一となりカカシさん以外のターゲットを相手にこんなことしなければならないのかと思うと胸が苦しくなる
こうして彼と気持ちが通じた今となっては尚更だ
自分には到底、好きでもない男性相手にこんな技をする自信なんてない、のに
なのに、私は
『ですが綱手様の命には、逆らえません
あのお方は私にとって、絶対です
あのお方が望まれるのであれば、それはきっと必要なことなのです
何としても…身につけなければ』
「…5代目の…命…」
自分も好きだと言ってくれたカカシさんに、こんな事を言わなければいけないなんて、身を切られるような思いだ
このままこの修練を投げ出して、自分の気持ちに正直に彼と添えたら
それが出来なら、どんなにか幸せだろう
でも、そういうわけにはいかない
私は1人の女である前に、火影補佐として綱手様をお支えするという絶対の任務がある
それをないがしろにしてまで自分の想いを通すことなど、出来はしない
────出来はしないのだ
私はグッと自分の唇を噛みしみた