第4章 最終修練
私はまくしたてる様に自分の気持ちを言葉にしていく
私は錯覚していたかもしれない
でも、彼にはそう思われたくはなかった
触れ合えてこの半月、私がどんなに幸せだったか
それだけは誤解して欲しくない
『隠していて…申し訳、ありません
そして、不純な動機であなたを指名してしまったこと…どうか、お許しください』
誰にでもあんなに簡単に、身体を預けられるわけじゃない
それは、紛れもなく相手が大好きなカカシさんだったから出来た事だ
「…………
それ、本当なの?!」
突然素っ頓狂な声を上げて彼の方から私に歩み寄ると肩を掴まれる
『ほっ、本当です!
嘘なんてつきません!』
「え、でもッ………
ちょっと待って……そ、それは違うよ!
俺は……っ
5代目に、君がくノ一最終修練をやると聞いて…驚いて
それで…慌てて志願したんだ。俺が、君の相手上忍になる事を…
くノ一の相手上忍なんて、やったこともないのにさ…』
『え?!』
思ってもみなかった答えに、思わず呆気にとられてカカシさんの顔を見上げると、今まで見たこともないほどに顔を赤らめて照れている彼がそこにいた
「つ、つまり…君の…初めての相手が…どこのどんな上忍野郎になっちまうのかと思ったら…俺は…
…とてもじゃないけど…耐えられなくて…
それで…柄にもなく、志願…したんだよ
修練とは分かってはいたけどそれでも…君の初めての相手に、なりたかった
不純なのは…俺の方だよ
…すまない」
夢を見ているのかと思うほど、足元がふわふわと覚束なくなる
『それって…』
「君が俺の事をその、思っていてくれてるなんて、そんな…
…想像すら、してなかった
本当に…ごめん
……だが、つまり俺も、君が、好きなんだ
ずっと、前から…』
ずっと…前から?!
…っていつから?!
『………………………………』
あまりの驚きに声が出ない
そのままふらふらと眩暈を覚えた私はその場に倒れそうになり、肩を支えてくれていた手に抱きとめられる