第4章 最終修練
こんな事言ってくれるなんて、誤解しちゃう
私………
もうどうしても、気持ちを知って欲しい
黙っていられずに、手のひらをぎゅっと握り締める
『あ、あなたが…
…カカシさんが、好き、です。だから…』
「!」
私の突然の告白に、驚いて完全に動きが止まってしまったカカシさんの側に、一歩一歩近づいていく
『…抱いて…くださるなら、初めては…っ、カカシさんがいい』
するとハッとした様に彼は私を見据えて、その後、悲しげに瞳を揺らした
「そんな嬉しいこと言ってくれて…
でもね、それは恐らく…毎日肌を合わせているから…好きかもって、錯覚を起こしてるんだ
そういうのは…よくある事なんだよ」
その言葉にずきりと胸が痛む
…錯覚?
違う、そうじゃない
「そんな風に攻略対象に直ぐ心を開いてはダメだ
…君は、素直過ぎる」
優しく、だが同時に少し寂しげにも見える瞳を見つめ返す
なんで…そんな顔
まるで、傷ついてるようにみえる
『違います!
…違うんです!
…そういう、事じゃなくて
さっ、最初から、違うんです!!』
カカシさんの傷ついたような顔を見て、私は心底、我慢出来なくなる…
「花ちゃん?」
『全部告白します
……私、この最終修練を受ける事を綱手様に命じられた時
お願いしたんです
相手はカカシ先生にして欲しいって
私、カカシ…さんじゃないと、耐えられないかも知れないって…思った、から…
自分の…気持ちを
そしたら…それを察してくださった綱手様が…ワガママを受け入れてくださって…忙しいカカシさんを…指名して下さったんです
つまり…それは、私が…カカシさんをずっと…お慕い、していたから…
こ、今回のことは…
カカシさんに、この命が…下ったのは…
全部…私の、ワガママのせい、なんです
…無理を言ってしまい、申し訳ありませんでした』