第8章 ヒーロー名(仮)と職場体験
それは職場体験最終日だった。
いつも通りの日課を終わらせ最後の見回りも終わりに差し掛かった頃、今日は何事もなく平和に終わるはずだった...がビィランが暴れだしたと逃げてきた人達に言われその場に向かった
「君はここに居て」
俺は遠巻きに戦っているところを見るしかなくてせめてもと思い避難を誘導した
「え、でも」
(法律上勝手に動いたらエッジショットさんに迷惑がかかる)
ビィランは何十本の触手を同時に動かしているのでそこらかしこで建物が崩壊している。
近くにいた人達も悲鳴をあげながら避難している
「──ま!」
「ん?声」
微かに聞こえる女の子の声周りを見渡しても女の子は見当たらない
「──けて!!」
でも声は聞こえる。俺は目を凝らして探すと瓦礫と瓦礫の丁度いい間に女の子が座っていた。女の子の上の瓦礫は今にでも落ちそうで危険な状態だった
「いた!」(エッジショットさんは、、交戦中他の人も)
エッジショットさんも他のプロヒーロー達も暴れ回るビィランに苦戦しているようだった
(このままじゃ...)
そう思った矢先、ビィランが1本の触手を鞭のようにして女の子がいる壊れかけの建物にぶつけた
その衝撃で瓦礫は女の子の上に降りかかる
「発動 ロックメイク ウォール」
寸前の所で女の子を囲むように岩で壁を作り瓦礫を防ぐ
「おね...ぢゃん」
「もう大丈夫だよ、ここから出よう」
「ゔん」
瓦礫を退かして女の子抱え安全な場所まで行くと母親が探していたので受け渡すと「ありがとう」と泣きながら感謝された
「うぉぉおおおお」
現場に戻るとビィランは雄叫びと共に最後の悪足掻きだと触手を派手に振り回すがエッジショットさんによって気を失い倒れた
「大丈夫か」
エッジショットさんは他の人に拘束を任せ俺の元に来る
「あ、はい問題ありません」
「...少女に気づけていなかった。感謝する。」
「いえ、、」
「...君はヒーローに向いていると思う」
「!!」
エッジショットさんは言い残して他のヒーローのところに行ってしまった
「...ありがとうございます」
プロヒーローからの一言は今の自分には心に染みる一言だった