第8章 ヒーロー名(仮)と職場体験
空はどんよりと暗くて憂鬱になるくらいの雨に加え、学校に来る途中色んな人に声をかけられて教室に着く頃には既に疲労困憊だった
「ちゃん疲れとるね」
「しらねー人に声かけられて疲れた」
「大変だったね、おつかれ!」
麗日は鞄の中から飴を取り出して渡してくれた
「ありがと〜」
口の中で貰った飴を転がしていると相澤先生が入って来た。その腕にも顔にも包帯はない
「今日のヒーロー情報学ちょっと特別だぞ...コードネーム、ヒーロー名の考案だ」
喜んで立ち上がる生徒はカッと目を見開いた相澤先生の圧で“シーン”と一瞬で静まり返った
(これ何回みてもおもしれぇな)
俺は密かにツボにハマっている
「と、いうのも先日話したプロヒーローからのドラフト指名が関係している。指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2、3年から。つまり今回1年のお前らにきた指名は将来性に対する興味に近い、卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」
「頂いた指名がハードルになるんですね」
「そうだ、そして集計結果がこれだ」
黒板に集計結果が出される
轟、爆豪に指名が集まる。その他は最終種目に出た生徒が何件か来ていた。緑谷は除いて。
「例年はもっとバラけるんだが2人に注目が偏った。この結果を踏まえ指名の有無に関係なく、所謂職場体験ってのに行ってもらう。」
「職場体験?」
「あぁ、お前らはUSJん時一足先にビィランとの戦闘を経験してしまったが、プロの活動を実際に体験してより実りある訓練をしようってこった」
「それでヒーロー名か!!」
「俄然楽しみになってきた!」
「まぁ、そのヒーロー名は仮ではあるが適当なもんは...」
「つけたら地獄を見ちゃうよォ!学生時代につけたヒーロー名が世に認知されそのままプロ名になってる人多いからね」
教室に入ってきたのはミッドナイト先生でやたらと色気を振りまいて歩く。男子は大喜びしてるけど...。
「ま、そうゆう事だその辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう俺はそうゆうの出来ん」
相澤先生は教卓の下から寝袋を取り出して寝る準備をする。