第6章 敵襲
(電気がついてる...先に帰ってたのか)
外から自分が住む部屋を見上げれば明かりがついている
「ただいま〜」
リビングの戸を開けると腕と頭から怪我した右目にかけて包帯を巻き珈琲を啜る消太兄がこちらを向く
「おかえり、今日は親子丼だ。手洗ったら食べるぞ」
「うん」
俺は言われた通り手を洗い、部屋に鞄を置き着替える
(消太兄大したことなくて良かった。でも妖精の涙2体で包帯を巻かなきゃいけないほどまでしか回復しなかった。特に目は骨粉砕してただろうし、傷跡は残っちゃうかな、見えずらくなったりするかな。俺がもっと速く行動してれば軽傷ですんでたかもしれない。)
「おい、飯できたぞ」
「あ、うん、ごめん」
リビングから呼んでも返事がないことが気になったのか珍しく部屋まで呼びに来た消太兄の声で我に返る
「.........」
「.........」
食事中は食器同士が当たる音しかしなかった
「ご馳走様」
「俺は先に風呂入ったからお前もはいれよ」
「うん」
食器を洗ってお風呂に入るとまた消太兄の事を考えてつい長風呂になってしまった
風呂から上がると帰ってきた時同様ソファーに座り珈琲を啜る消太兄を見るも今日は喋る気がしなくて自分の部屋に行こうとすると消太兄によって止められた
「こっちにこい」
俺は少し躊躇したけど消太兄の元へ行くと子ども時のように手を握られる
「なんかあったのか」
「...なにもないけど」
「嘘つけ、何年お前と居たと思ってる。飯中も静かだし、喋りかけてこねぇ。思ってることあんなら言え」
俺は顔を見れずに俯いているけど真剣な顔で言ってくれるのがわかる
「...消太兄が雄英高校の教師で生徒を守るのことが当然なのは分かってる。理解してるけど、してても辛いのは辛い。消太兄まで居なくなったらどうしようって足が竦んだ。怖くて怖くて堪らなかった。
包帯巻いた消太兄見て俺が速く行動してればとか最初から追いかけていけばって思ったけどそれは消太兄の足でまといにしかならないって分かってるからそれが悔しい」
話してる間になんだか涙が出てきてぽたぽたと消太兄のスボンの上に落ちる
消太兄は俺を膝の上に乗せ抱きしめくれる