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【文豪ストレイドッグス】2人だけの関係

第2章 出会い





あの日から数日が経った。

人虎に逢うのがあの事で最後だと思っていたけど、真逆また逢うなんて思ってもいなかった。

私は今日、休みなので街を歩いていた。

美味しい物を沢山食べたり、可愛いアクセサリーを見たり堪能していた。

可愛い服を外から立ち止まって見ていると、誰かに見られてる、そう思った。

視線がする方を、見ると人虎が居た。

私は思わず、その場を去ろうとした。

だけど、「待って」と云う声が聞こえ、腕を掴まれた。

「何か、」

そう云うと、人虎は「あっ、ご、ごめん」と言って慌てて手を離した。

「あの、その...」

「何か、私に用なの?」

わざとなのか、そのまま出たのかつっけんどんした言葉を人虎に云い放つ。

「君に初めて逢った時、僕が虎になって君を傷付けてしまった事を、ずっと謝りたくて...」

「如何して、私は敵なのに、わざわざ...」

「どうしても謝りたかったんだ」

彼は私の目を見ていう。

「だから、ごめん」

続けて謝罪をする。

「....」

「やっぱり、怒ってる?傷は深いの?まだ治ってないとか....」

彼はずっと私に謝ると、思って探していたのか。

「いえ、傷は大丈夫」

「本当?でも、やっぱり」

「本人がいいって云ってるんだから、もう謝る必要はない。」

「う、うん、ごめん。」

用は済んだのか、何も話さない。

「あ、あのさ、良ければ、友達になってくれないかな」

「えっ」

「ご、ごめん。嫌だよね、敵なんかと。ましてや僕なんかと....」

「違うんです。驚いただけ。貴方が良ければ、友達...なっても....」

「ほ、本当!?ありがとう!」

「僕は、中島敦。君の名前、聞いてもいいかな」

「名前は、恵美。」

苗字は云わなかった。

私の兄が彼を傷付けたんだからその妹だ、って軽蔑されたくなかった。

それから、仕事以外では仲良くしている。

彼に逢うのが楽しみになってきていた。

___敵同士なんて、忘れるくらい。
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