第4章 理性
彼女がそう言った時頭部を鈍器で殴られたような衝撃を受けた。
嘘だ。
嘘だと思いたかった。
だけど、彼女はしっかりと「芥川の妹」と言った。
"芥川"と聞いて思い出すのは、ポートマフィアが僕を生け捕りする作戦でポートマフィアの狗の芥川と出会って戦闘した事。
それで谷崎さんやナオミさんが重症を負って、探偵社の皆にも迷惑をかけた。
それに鏡花ちゃんのことだってある。
僕はアイツを許さない。
そう思っていると、ちゃんが口を開いた。
『黙っててごめんなさい』
ちゃんの謝る声でハッとした。
謝る彼女は悲しい目をしていた。
妹だと言われてみれば、芥川と口元や目元などが似ている。
兄妹だけど、芥川とちゃんは違う。
だから、そんな悲しそうな顔をしないで欲しい。