第3章 目覚めの約束
人の少ない道を歩いている時気付いた 。
きっと彼は仕事中。
今から引き返そうかな、と悩む。
それに、いつの間にか身体の熱さは消えていた。
「ふぅ...」
気を取り直し、帰ろうとする。
ちょっと寄り道でもしよう。
兄さんと姉さんにも心配を掛けたから、お礼に二人の好きなものでも買って帰ろう。
私は歩き始め、微笑んだ。
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街まで行くと、すごく誰かの視線を感じる。
一人、じゃない。多数の視線を感じる。
何だろう。
私はマフィアだと知れ渡ってないはず...
「ッ...」
また、身体が熱いのを感じる。
如何してこんな事になるのか判らくて、何故か目頭が熱くなる。
「あれ、ちゃん?」
聞き覚えのある声。
後ろを振り向くと、そこには敦さん。
「あ...」
私が、会いたがってた人。
「昨日、ぶりだね...」
そう云って微笑む彼。
「...はい、そうですね」
会いたがってたのに、急にもうどうでも良くなった。