第3章 目覚めの約束
結局、身体がなかなか動かず、敵のボスを倒しには行けなかった。
その事を首領に報告する。
「大丈夫だよ、ちゃん。次があるから」
そう云いニコと微笑む首領。
「すみません...」
次また失敗したら、もう私は処分だろう。
そうならない為に頑張らないといけない。
「ところで、ちゃん。顔、赤いけど大丈夫?」
「はい」
そう云うけど、身体の中は熱くて耐えきれない。
「少し休んだら如何だね?」
「はい。そうします」
首領の言葉に甘えて、休むことにした。
丸一日経っても身体の熱は下がらない。
「何かの病気なのかな...」
小さな声で呟く。
「大丈夫か」
兄さんは心配になって来てくれた。
「普通の熱ではなさそうなの。只、身体の中か熱いだけ」
少し頭も痛い。
「___ッ!」
急に身体が燃えるような衝動にかけられた。
「ふ、ぅ...はぁ」
「?」
熱くて熱くて、我慢できない。
涙で視界はぼやけて、苦しい。
兄さんには心配を掛けたくない。
「兄さん、少し部屋から出てもらえない」
「あぁ、判った。何かあったらまた直ぐに呼べ」
軽く頷き、兄さんが部屋から出て私は体勢をうつ伏せにした。
「如何したら...」
もう熱くて堪らない。
こんな時に、相談出来る人が居ればいいのに心底思った。
なんでも、話せる人...
一瞬、敦さんの顔が浮かんだ。
「いやいや...」
私は横に首を振る。
でも、他に気軽に話せる人などいない。
立ち上がり、紙に「少し出かけます」と書き、机に置いた。
着替えて、マフィアの人達に見つからないよう、急いでビルから出た。