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夢幻

第8章 捌







村「変わったな。」





あの時と全然違うよ、そう言いながらを見つめる村田には目を見開いた。





変われたのはあの時村田さんが助けてくれて、杏寿郎さんに出会い強くなることを身につけることができたから。
杏寿郎さんにも感謝していけれど、村田さんにも同じように感謝している。






『あの時村田さんが助けてくれたから、杏寿郎さ…師範に出会えて強さを身につけることが出来ました。』





村「炎柱さまの事はなんと言ったらいいか…その…」





残念だったな、でもないし…辛かったよな…ってそれも当たり前の事だし…。
ブツブツと独り言を言いコロコロと表情を変える村田にはクスりと笑ってしまった。





『師範の死を糧にやるべき事は決まりました。もうクヨクヨしたりしません。何があってもこの手で上弦ノ参の頸を落とします。』





その言葉を聞いて何度も思った事を再び思う。
やっぱりお前は変わったよ、仲間を目の前で見殺しにするしか無かったあの時と違う。
強くなったんだな、炎柱さまに出会ってから。





己の力の無さに打ちひしがれ、日輪刀の色が変わらないことに絶望していた頃のことが懐かしい。





村「そうか…頑張ろうなお互いにさ。俺もに負けてられないな!それより俺の方こそありがとうな。助けてくれて。」





『お互いさま、ですね。』





そう笑いながら言うを見て村田もまた笑い返す。
まだ他にもやらなければいけないことがありますので、と一礼し遠くなるの背に叫ぶ。





村「!!死ぬなよ!!元気な姿でまた会おう!!」





村田の大声に気づき振り返るの表情は遠くて分からなかった。
ただ、村田さんも死なないでくださいね。と微かに聞こえたくらいだ。





『死ぬな、か…』





師範や千寿郎くん以外の人に掛けられた言葉で温かな気持ちになるなんて、ね。
村田さん、私ね多分その約束は守れないと思うの。






どこまでも続く青い空に目を向けながら心の中で呟いた。





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