第7章 漆
炭「正しいと思う道を進んでください。千寿郎さんを悪くいう人がいたら俺が頭突きします。」
杏寿郎の遺言を伝えた後に真面目な顔で頭突きします。と言うものだから千寿郎ももポカンとした後に同じタイミングでそれはやめるように言ったのであった。
『竈門くん…さっき愼寿郎さまに頭突きしたの見て思ったけど、本当にそれだけはやめた方が…』
炭「……はい。」
泣いていた千寿郎がクスリと笑いながら、炎柱ノ書を自分が修復して読めるようにして鴉を飛ばすと伝えた。
それを聞いた炭治郎も頷き、蝶屋敷に戻る支度を始める。
『君は本調子じゃないようだし、帰りは私が送って行くよ。』
少しよろめく炭治郎の腕を支えながら玄関まで向かう。
ありがとうございますと笑った炭治郎に軽く笑う。
千「お話ができてよかった。気をつけてお帰りください。」
炭「いいえ、こちらこそ。」
どちらも礼儀正しく頭を下げ別れを言う。
その時千寿郎が懐から何やら取り出し、炭治郎にそれを手渡した。
千「炭治郎さん、これを。兄の日輪刀の鍔です。」
杏寿郎の遺品である日輪刀の鍔を炭治郎に差し出す千寿郎に、差し出された本人は両手を振りながら慌てながらに受け取れないと言う。
炭「い、いただけませんこんな大切なものっ…俺は…」
そんな炭治郎に千寿郎は優しく笑いながら持っていて欲しいと、杏寿郎の鍔を炭治郎の手に持たせた。