第7章 漆
ぱらりとページを開いて炭治郎と千寿郎は息を飲む。
も後ろから覗いて目を見開いた、炎柱ノ書が所々破られ読めなくなっていたのだ。
千「こ、これは…すみませんっ、きっと父がやったのだと思います…」
せっかくヒノカミ神楽のヒントが掴めそうだった矢先に起きた現実に千寿郎はすぐさま謝る。
しかし炭治郎は慌てる様子もなければショックを受けている訳でもなかった。
炭「いいえ!千寿郎さんのせいではないです。どうか気になさらず。」
炭治郎よりも千寿郎の方が肩を落としていた。
せっかく足を運んでもらったのにヒノカミ神楽についてと、愼寿郎の言う日の呼吸についてなにも教えることができなくなってしまったから。
炭「大丈夫です、自分がやるべきことはわかっていますので」
ニコリと笑う炭治郎はそのまま自分でやるべきことを声にした。
もっと鍛錬をしてヒノカミ神楽の舞の手順を覚えること、全集中の状態でヒノカミ神楽を使っても体がついてこない問題点等を話した。
この試練を乗り越え技を身につける事が出来ていれば杏寿郎を救う手立てになったかもしれない。
ギュッと拳を握り俯きながら話す炭治郎にも千寿郎も見守ることしか出来なかった。