第2章 弐
『竈門くん、嘴平くん、我妻くん。』
彼らに声をかければ竈門くんは泣きながら顔を上げ私を見据えた。
嘴平くんは被り物をしてるから表情がわからないけれど、僅かに肩が震えている。
我妻くんは禰豆子ちゃんの入った箱を背に師範の為に涙を流していた。
炭「あ…さん…すみませんっ…俺、俺っ煉獄さんを守れなかった…!!」
大きな瞳からポロポロと雫が零れ落ちる。
竈門くんも嘴平くんもボロボロになっているのに、師範の元を離れようとしない。
みんな師範と共に戦ってくれていたんだね。
『竈門くん、泣かないで。師範と共に戦ってくれてありがとう。嘴平くんも、我妻くんも禰豆子ちゃんも。』
炭「俺がもっと強ければ、煉獄さんの力になれた…!!煉獄さんは死ぬこともなかったかもしれないのにっ…俺のせいでっ…」
師範、師範ならこういう時彼等になんと声をかけますか?
体もボロボロなのに心までボロボロになってしまった彼等に、貴方ならなんて声をかけるのだろう。