第6章 陸
ゴンッ!
鈍い音が響いてどちらともなく倒れてしまった。
その隙に千寿郎と一緒になって炭治郎と愼寿郎を引き離した。
『愼寿郎さま!大丈夫ですか?愼寿郎さま!』
身動きせず地に伏せる愼寿郎を揺さぶり声をかければ暫くして起き上がった。
ホッと一息ついていると肩においていた手を払われ、ズンズンと無言で町に向かって行ってしまった。
愼寿郎も元柱ならおそらく大丈夫だろうと思い、炭治郎を連れて中に入った千寿郎の元に向かう。
千「あ…さん、父上は大丈夫でしたか?」
『うん、町にお酒を買いに行ったから大丈夫だと思うん、だけど…この状況は一体なに…?』
心配そうに見つめる千寿郎に愼寿郎の身の安否を伝えれば目の前にはズゥゥンと項垂れ正座をした炭治郎の姿があった。
千寿郎は父親である愼寿郎に頭突きをかました事をやらかしたと項垂れているんです。と説明してくれて納得した。
相当鈍い音だったけどこの子はどんな石頭なんだろう…。
千「お茶です。どうぞ。さんもお座り下さい治療した後に飲んでください、どうぞ。」
『ありがとう、いただきます。』
炭治郎の横に腰を下ろし千寿郎から熱いお茶を受け取る。
顔色悪くげっそりとした炭治郎と目が合い、思わず苦笑いが零れた。
無理もない、怒りを抑えられなかった上に我を失ってしまったのだから。