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夢幻

第6章 陸







炭「命を落とした我が子とその継子であるさんを侮辱し殴って!!何がしたいんだ!!」





愼寿郎の顔つきが鋭いものに変わり低い声で唸る。
止めなければ、そう思っても体が動かなかった。
怖気付いてしまったのだ、殴られたこともそうだが杏寿郎の事を悪く言われても反論することも出来ない、己の事に至っては言われて図星だったから。





愼「お前俺たちの事を馬鹿にしているんだろう」





炭「どうしてそうなるんだ!!何を言ってるのか分からない!言いがかりだ!!」






炭治郎の言葉に怒りを抑えぬままに愼寿郎は口早に言う。
炭治郎が日の呼吸の使い手だということ、炭治郎の付けている耳飾りが日の呼吸の使い手の証なのだと。
そして日の呼吸は始まりの呼吸だとも続ける、1番初めに生まれた呼吸であり最強の御技で全ての呼吸は日の呼吸の派生に過ぎないと。





愼「全ての呼吸が日の呼吸の後追いに過ぎない、日の呼吸の猿真似をし劣化した呼吸だ!火も水も風も全てが!!」





愼寿郎の言葉に炭治郎は動揺した。
己が日の呼吸の使い手だと言われたこともそうだったが、日の呼吸がはじまりであり全ての呼吸が派生に過ぎないということに。
それに日の呼吸の使い手だと言われても炭治郎の家は代々続く炭焼きだ。
家系図だってあるのに、いや、でも今はそんな事じゃなくて…。





愼「日の呼吸の使い手だからと言って調子に乗るなよ小僧!!」





愼寿郎の最後の罵声にブチりと炭治郎の中で何かが切れた音がした。
己の無力さを杏寿郎の死で思い知らされ、己の弱さにどれだけ打ちのめされたことか。





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