第4章 肆

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キュッと口を紡いでいた千寿郎がの顔を見た瞬間に膝から崩れ落ち泣きじゃくった。
驚き、すぐさま千寿郎の傍に駆け寄るが地面に蹲り幼子のように泣き続けている。





『千寿郎くん、私がいながらごめんなさい。』





地面に片膝をつき、そう言いながら千寿郎を抱きしめる。
縋りつくようにしての背に回された腕は震えていた。
も千寿郎の背に腕をまわしきつく抱きしめる。





神様がいるのであれば残酷な御方だ。
この小さな少年にどれだけ試練を与えれば気が済むのだろう。
千寿郎とは杏寿郎と出会ってからの付き合いだが、人のいい子で気が利く子だ。
それなのに母を失い、兄をも失い心はボロボロなはず。





千｢っ…さんはっ…悪くないっ…で…す…ひっく…ぐすっ…兄上も、きっと…きっと…後悔はしてないでしょう…｣





『私が必ず師範の仇をとるから。強くなって必ず。だから待っててくれないかな。』





師範と同じ炎のような髪色をした頭を撫でる。
千寿郎の顔が上がりと目が合う。
のまゆは下がり、それでも笑っていた。
千寿郎の不安を少しでも軽くするために。