第2章 衣食住揃えば生きていけると思うんだ。
正座って1時間も経たずに足の感覚なくなるよね。
日本人と言えどもそう何時間も正座させられるなんて無理だと思う。
足痺れるし。
さて、今日は珍しく見た目は聖人君子、中身はおっさんである三蔵法師のありがたい?話を聞いている。
たまにはこういう日もいいだろうと朝の掃除と皿洗いを免除された私は歓喜で飛び跳ねていたが、そんな甘くはなかった。
仏教徒と言えども関わるのはお葬式ぐらいのにわかの知識でよく分からない話を聞かされるのは苦痛でしかない。
やってられるかと思い、ちらりと横斜めに座る江流をみる。
私よりも小さいのに正座でしっかりと話を聞いている。
そうか、お前三蔵法師大好きだもんな。
裏切られた気持ちも無くはないが、好きな人の話を聞きたいのは当然だと思うし、聞いてて幸せなんだろうなぁとは思う。
まぁ、私は違うがな!
昨日も三蔵法師に麻雀で負けて賭けの対価に貰ったお金取られたし。
話を聞くだけでは暇なので周りを見渡してみる。
あまり大堂に入ったことはなく、庭や自室にこもっていたせいもあり自身の頭よりはるかに高く大きな建物にはすごく興味をそそられるものだ。
三蔵法師の後ろには大きな仏様の像があり、三蔵法師を中心に大勢の坊主が列を組んで座っている。
一部の人間以外ハゲなので写真を取ればツイッタラーで受けそうだが、今は携帯も何も持っていないので写真を撮ることも出来ない。
あぁ、なんて退屈な日々なんだろう。