第3章 旅の始まりは突然だけど準備はしっかりと行いましょう
小さな町に着いた。
約1週間ぶりの町である。
小さな町だが、露店や歩き売りがいるところを見ると栄えてはいるらしい。
宿を見つけるまで自由行動していいと言われたので露店を見て回る。
「お嬢ちゃん、今出来たての揚げ菓子はどうだい?」
「いただきます。」
揚げてまだ熱々の餅菓子を屋台のおじさんからもらい食べながら歩いていると色々と呼びかけられては食べ物を貰う。
小さくなったおかげで色々と貰えるのは嬉しいのだが、中身は〇〇を過ぎる歳であるし、恥ずかしい気持ちも無くはないが...
まぁ、貰って損は無いからいいよね!
ついでに旅に必要そうな備品を買い、集合場所へ戻ってみると綺麗な女性と悟空達4人が何か話しをしているようだ。
「どったの?」
「あぁ、祭ちょうどいい所に、」
「このじょーちゃんの家が宿屋営んでるらしくてな、今日はここに泊まらせてもらうことになったんだよ。」
「あ、えーと、今日は団体も入っているんですけど、それでも良ければ...」
「宿があるだけでありがたいです。」
拝むように手を合わせるとすごく慌てられた。
「気にするな。あいつはいつもこうだからな。」
猪八戒が、しれっと女性の手を握ろうとしたので手に触れる前に叩き落とす。
「いやはや、なんとも手の早い事で。」
「察しよ過ぎねぇ!?」
「ねー、お腹空いたから早く行こーぜ」
悟空は言い合いをしている私たちより、ご飯が食べたいらしい。
渋々と文句を言いながらも車に乗って宿へ向かうことになった。