• テキストサイズ

赤い月(銀魂 神威)

第2章 ちぐはぐな街


ここは春雨領地北の果て、8の駅。

宇宙船ではなく鉄道でやってまいりました。

目立っちゃうからね。


それにしてもひゅんひゅんといろんなものが飛んでくる。この地帯はゴミ捨て場が近くにあるとか何とか。

上下左右、どこから飛んでくるかわからない。

「う、わ!」

左下から来た氷の塊のような隕石に気付かずモロに受
けそうになったところ、ひゅんっと左右から風を切るような音を聞いたかと思うと隕石がガラスのような音を立てて割れた。

どうやら左に神威、右に阿伏兎がいて傘を振るって壊してくれたようだ。


「あ、ありがとう」

いつも助けてくれる阿伏兎はともかく神威まで助けてくれるとは。

思わず神威にお礼を言うと、「?」と何を言われたのかわからないというような顔をして一度こちらを見たが、すぐに

「もう、助けないから自分でなんとかしなよ」

と言ってさっさと歩いて行ってしまった。

「う~~~ん?…これってこれってもしかして一発逆転満塁ホームランの予兆?」

とかなんとか阿伏兎が嫌な笑いを浮かべながら言っていたとはつゆ知らず。




草一つ生えていない岩場を歩き続けると、その先に例の峠らしきものが見えてきた。

峠の道を歩いて行くのだろうと思ったら、二人は二手に分かれてしまった。

「え?え?」

どうしたらいいのかわからず峠の道の前に立っていると、阿伏兎は言った。

「お嬢ちゃん、一番の悪者はどこにいると思う?」

向かって右手の遠くのほうで阿伏兎が私に聞いてきた。

「峠の奥!」

そんで子分たちに峠でもの取りさせたりしている!

「う~~~ん。20点かな」

と神威は背中から傘を取り出しながら答えた。

そして、

「「正解はァ…」」

二人は同時に傘を振りかぶった。



「「あそこだ!!!!!!!」」




どぉぉぉぉぉぉぉぉん……


二人は同時にフルスイングで峠をぶっ壊した。

すげぇ、力技。


そして指さしたのは、土煙りの中現われた、赤や黄色のネオン街・第8シェルターだった。
/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp