第8章 つかの間の愛
そういえば、あのあと、どうなったかな。
私は急に不安になった。春雨との間の新しい密売ルートは失敗に終わったわけですが、また新しいルート(ほかのシンジケート)を考えなくてはならないし、早く本部と連絡を取らなくてはならない。
でも、私は、またクスリでおかしくなってしまう人々をつくりたくない…
いろいろ考えあぐねた結果、沈黙のまま固まっていると、ポスッと土方さんが私に布団をかけてきた。
「とりあえず、お前は少し休んだほうがいいぞ」
「……」
いいのだろうか、甘えても。
「このまま…戻らなければ、どうなって、しまうのだろうと…」
いえないことばかりの中で、なんとかそれだけ搾り出して言った。
「なんとかなるだろ、とりあえず今は何も考えず寝とけ」
一瞬、似たような台詞を吐いた仲間の顔がチラついたけど、なんだか安心してしまって、そのまま眠ってしまった。