• テキストサイズ

赤い月(銀魂 神威)

第8章 つかの間の愛












「おーい、目を覚ましてくだせェ、お嬢さん?アンタも、クスリやったのかィ?正直にはきやがれ」

目を覚ますと、そこは取調室のような部屋だった。

目の前には警官らしき少年が立っていて、やかんの水を私の頭からかけていた。

「…やってない…」

大量のアルコール、眠剤を飲んだ記憶はある。

ただそのせいで頭がぼんやりとしている。

「ほんとですかィ?やった奴はみんなそう言いますがね!」

そう言って再び頭から水をかけてきた。

「ふっふっふっふ…」

「なんでィ。やっぱり中毒者かィ?おまえさん」

急に不敵に笑い出した私を見て、少年はやかんの手を止めた。

「それを言うなら、やった奴もやってない奴もみんなそう言う、の間違いじゃありませんか?やったって言うような奴はかなり重篤な人だけだと思いますけど…」

水浸しになった髪をかきあげながら、爆笑した。

なんだろう、久しぶりに笑った気がする。


「おい、総悟。やめろ、そいつはクスリやってねえんじゃねえか?」

外で見ていた上司らしき男性が『総悟』さんを止めにきた。

「地球さんの警察さんは手荒なことなさいますね…!ふっふっふ…」

「申し訳ない…、凶悪な中毒者が最近多くて、こんなことを」

そう言って、私にバスタオルをくれた。

牢にはたくさんの心身喪失した重篤な中毒者が入れられていた。

暴れる者もいれば、何かを叫んでいる者もいる。

「屯所の中まで声が聞こえて、すっかり眠れてるやつなんて…総悟と近藤さん、局長くらいなんだ」

目つきの悪いこの男性、土方さんも、すっかり疲弊している様子だった。

「そうですか…わかりました」

私は、ひとつ決心をして返事をした。

「土方さん、クスリの出所、知りたくありませんか?」

「なに?」
/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp