第8章 つかの間の愛
毎日、クスリが運ばれていく様子を確認し、その分だけ星が荒れていく。
クスリは安く提供されるようになったが、その分なんだかよく分からない物が含まれていたり、それでも手に入らないような人たちの間では、さらに粗悪品が出回っている。
このころになると、私自身も精神的に荒れてしまっていた。
とにかく外の様子が知りたくなくて、引きこもりがちになり、仕事以外はなんにもできなかった。
(完全にすべてが割り切れれば楽になれるのか…)
そう思ったりもするけども、どうしても自分には無理だった。
「帰りたい…」
気がつくとつぶやいている。
でも、どこへ私は帰りたいのだろう。
無垢で純粋だったあのころへ?
神威と阿伏兎のもとへ?
もうわからない。