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赤い月(銀魂 神威)

第1章 プロローグ


「那美のデータ、出たみたいね」

「やっぱり普通の人間ではない、な」

神威と阿伏兎、集会室(この辺オリジナルですから!)と呼ばれる部屋で那美の修業から出たデータを見ながら話し合う。

「ふ~~~ん」

楽しそうにデータを眺める神威を見ながら、阿伏兎はやはり感心せずにはいられない。

一度も交えずして特異性を見抜く能力。俺はもしかしてすごいの下にいるのかとこういうときに感じる。

「那美寝ちゃったかな?」

神威が不意に阿伏兎に聞く。

「あ、ええ。あれだけきっつい修業させてれば当たり前でしょ」

「そっか」













どれくらい時間が経っただろう。

辺りは何の音もしない。

やはり体中痛むが、嫌な感じがして目を覚ました。

遠くから足音が聞こえる。

どんどん近付いてくるようだ。

恐ろしくなり布団に潜れば、足音は私のドアの前で止まった。



ガ チャ



ゆっくりゆっくりドアが開けられてあの足音が私のほうへ近づいてきた。

そしてベッドの前で止まった。

思わずギュッと目をつむって必死に寝息を立てるふりをした。


その瞬間、ドスッと私の頭の両脇の布団が音をたてた。私の頭を挟むように手が置かれたようだ。

「那美…」

耳元に神威の声。

私の恐怖は絶頂を迎える。

それでも必死に寝息を立てる。

「ねえ那美、…遊ぼうよ」

ひぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい寝てますぅっぅぅぅ~~~~~~


心でそう叫びながら必死に寝息を立てていると、人間慣れるもので、いつのまにか眠りの世界に入っていた。



神威は神威で、しばらく私のベッドに腰をかけて足をぶらぶらさせていたが、「ちぇ」と言って部屋を後にした。




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