• テキストサイズ

赤い月(銀魂 神威)

第7章 胡蝶の夢


那美はとても優秀だ。

夜兎にくらべたら戦闘力はとても及ばないと思う。
でも、それは彼女の精神的な部分が大きな差を作っていると思う。

すばやさ、勘のよさ、ポテンシャルは非常に高いと思う。ただ、彼女は優しい、悲しいほどに。それが完全に能力のリミッターになっている。

一度はそれを壊そうと思った。

それは、自分がもっとも憎んできた弱さだったからだ。鳳仙しかり、親父しかり。

だけど、今、俺は那美のそういう部分もすべてそれでいいんだ、と思い始めてしまっている。




…それが一番恐ろしい。




ゆるぎない信念を持って生きてきた。


そして今もそのために生きている。




加えてあの不思議な夢。何度も同じ場面ばかりを見せられる。


ぐらぐらとゆれてしまう己の心を正すために、




できれば




彼女と離れたい…。










「地球へ、任務ですか?」


ある日、私は突然阿伏兎から地球への赴任を言い渡された。

できればアジトに残って、ハシモトの動向を探り、夜原の残党狩りをしたいのですが…


「う~ん。なんでも、上からのお達しらしいよ。お嬢はいたく警戒されているみたいだし」


夜兎には珍しい(一応)ブレーンということで引き離したいという上層部の狙いがあるそうだ。


第七師団、そこまで大した地位にいないのに、いたく警戒されてるんだなぁと思いながらも、断るわけにもいかず地球へ行くことになった。


地球では、以前なぞの二人組のサムライに、麻薬の密売ルートがつぶされてしまったらしく、また新しいルートを作りたいそうだ。


「はぁ。私一人で大丈夫ですかね?新しいルートなんて作れるんでしょうか?」


「地球のお偉いさんとも仲良しだから、万一つかまることがあっても、す~ぐ出られるって」



なんかよくわからないけど、やるしかないか。

/ 81ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp