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赤い月(銀魂 神威)

第7章 胡蝶の夢


春雨は、けっこうコロコロ上司とか同盟関係の団体とかが変わる。

そのたびにいろいろ体制が変わるので会議が増えたって言うのもある。

うちら第七師団は特殊な集団で、夜兎族は好戦的な部分を除けば欲のない一族集団なので、そんなに上から目をつけられることがないのだけど、上層部は独裁国家みたいな殺伐とした世界のようだ。

粛清、裏切り、潰し合いが横行していて、派閥争いの影響で、師団長がころころ変わっているところもあるらしい。

おぞましい話だけど、まあ…どこにでもあることなのかもね。特に宇宙海賊だし。

なるべくそういうものに巻き込まれず、なんとか独自の方法で、地位を確立して行きたいと、思っている。







夜原を弱体化させて以来、私たち第七師団の縄張りはもっぱら第8シェルターだった。

夜原の基地だった惑星FGに軍を配備し、攻撃に備えている。

出世はしたけども、まあ完全に都落ちですね。中央はゴタゴタしてるからちょうどよかったと思うけど…。

まずはここで力を蓄えて、と思うのですが、当の団長、副団長らはこの調子なのです。


「メンドクサイよ。一番偉いやつをぶんなぐって終わらないかなぁ」

「いろんな意味で終わります。ゲームオーバーです」

「俺こういうゲームぜったいやらない☆」

と、団長様は今日も暇そうでした。



会議の後、私たちは第8シェルターに戻った。

宇宙鉄道の駅に着くと、既に出発の笛が鳴っていた。
急いで乗り込もうとすると、団長が急に足を止めた。

「団長、乗らないと…」

なんだか今日の団長はぼんやりとしている。

「こ~のすっとこどっこい!」

と言って阿伏兎が引っ張ってぎりぎり乗せた。

「どうかしたんですか?」

「いや、なんか…思い出せないことがあるみたいで、…なんかキモチワルイ」

珍しく機嫌が悪いみたいだった。

私と阿伏兎は、その場から動かない団長を置いて席に着いた。

「なんだってんだ、あの人は。今日は会議のときから少し様子がおかしかったけど」

「さぁ…疲れて、るってことありますか?」

「知らねえwwあるのそんな奇跡w」

もしかしたら暇疲れってやつかもしれませんね。

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