第6章 特別編
「あ、あったあった。泉!」
少し林の中を歩いていると、小さな泉を見つけた。
その周辺で荷物を降ろし、万斉さんと少しはなしをした。
「那美殿はいつから第七師団に入ったでござるか?」
「最近ですね~。しばらく試用期間もあったから、正式に入隊はほんとに最近。なぜか幹部ということになっちゃったけど…」
「那美殿はあまり夜兎っぽくないでござるな」
と、万斉さんに言われた。
たしかに。どんなにがんばっても夜兎にはなれないんだろうな、とどこかでわかってはいる。
「そうですか?よく、言われますよ。いろんなタイプがいると思います。夜兎の血が強く出ている人は、とにかく好戦的で個人主義だと思いますし、そこそこ自制のできる人は集団に属していることが多いみたいです」
団長なんか好戦的だし、夜兎の血だいぶ濃いんだろうな~と思う。
「好戦的な貴女の上司の神威殿なんですが、妹がいるんでござるよ」
「え!!??初耳!ぜんぜん知らなかったwwあの人も人の子なんですねwww」
当たり前だけど、驚いた。
「知り合いなんですか?」
「少し」
「団長に似てるんですか?」
「顔は、まあ瓜二つでござるな」
へえ…、一度見てみたいなぁ。
そんな話をしていたら、いい時間になってしまった。
私たちは再び駅に戻った。