第6章 特別編
豪華絢爛な広間。
天井には虎と虎の食い合う墨絵が描かれている。
どこかまがまがしさのあるきらびやかな部屋。
そこで、自身の二倍くらいある椅子に腰掛ける赤い髪の男はまだ若い。
「人ってのはむなしいもんだよな」
背もたれにもたれながら手すりを撫で、少年はつまらなそうにつぶやいた。
「何を言うかと思えば、どうしたんですか?しみじみしちゃって」
目の前に立つ漆黒の外套の男がさもおかしそうに答えた。
「…いやぁ。奴を見てると、つくづくそう思うんだよね」
少年は片瞼を指で何度か叩いた。
「人が…むなしい、ねえ。じゃあ、俺たちはどうなんでしょうね」
「ふふ。
俺たちは…さしずめ野蛮な生き物ってところだろうね」
「はっはっは。野蛮な生き物ね。そりゃいいや!」
さあゲームを始めよう。
命をかけた最高のバクチ。