第6章 特別編
それにしても、この世界は異世界だと思っていたものの、地球は存在しているらしいし、異世界じゃないのかも。
…案外簡単に帰れるのかもしれないな。
そんな希望を持って、高杉さんを見た。
「…刀は斬れればいい。だが、磨いで見なけりゃわからねえってことか」
「あ、分かる!?そーーーなんだよね。軽くトレジャーハントするのが最近趣味でね」
なんだか楽しそうな神威。
こんな団長は初めて見る。
…なぜだろう。何だろうこの気持ち。ちょっと嫉妬してしまう。
二人の会話は私には理解できないし、なんとも言えない表情で立ち尽くしていると、宇宙船の入り口から見慣れない人間三人が入ってくるのが見えた。
「あーーーーー!!!晋助様!何スか!?誰ッスかその女!」
「第七師団の女幹部だ」
「確か夜原掃討作戦の司令官だった女性ですね。
思った以上に若いですねー…私はちなみにギリギリ許容範囲です」
「なんのッスか!!あんたの守備範囲がおかしいんスよ!」
ドロンとした目をしたザ・サムライな格好のおじさんとピンクのへそ出しルックのおねーちゃんが弾丸のごとくしゃべっている。
私はただ目を白黒させながら聞くことしかできない。
しかし、耳に入ってきた情報にハッとして叫んだ。
「し、司令官ってなんなんですかーーーー!!!?違いますよ私!!!」
いつのまに司令官になっていたのだろうか。
おそらく神威が適当に上に報告したのだろう。
「なんか、、情報とちがうでござる…」
私のその反応に、サングラスの長身のおにいちゃんがぼそりとつぶやいた。