第6章 特別編
「これ、タカスギシンスケ」
神威が私に紹介してきた…人間の名前だ。
包帯をつけ、派手な着物に日本刀。
その奇抜な格好に、私は何も言えずに半笑いでたちすくむ。
「サムライなんだよ」
と神威。
「え?サムライ??
えっと…日本人?え、地球人(のコスプレイヤー)??」
というか、地球、この世界にあるの?
「……」
食い気味に尋ねて見たものの、和コス男は何も言わずに私を見る。
あ、なんかちょっと怖い感じの人かも。
怖いコスプレイヤーって…この世にいるんだなぁ。
「那美、サムライって知ってる?」
「え、ええ。あ、知って…ます…」
見たことはありませんが、よく知っております、はい。
「不思議な生き物だよねぇ」
はい。
この彼については、その意見には賛成です。