第5章 おまけ
「ええっと朝…
なにしてましたっけ?」
私が神威に聞くと、
「そのまま、ただ話してるだけ」
「え?ただ話してるだけって書くんですか?
あ、書くものかしてください」
「はい」
神威は机の一番下からクレヨンを出して机を滑らせて私によこした。
「く、クレヨンって!他にないんですか、書きにくい!ボールペンとか!」
「あるけどもったいないからダメ」
「団長、へんなところケチですね」
そんな話をしていると、やはり阿伏兎はツボにはまっていた。
「く~れ~よ~ん~~!! 団長、なんでそんなんもってるんスか!??」
「ん~? 机の一番下にお道具箱が入ってるから」
「だからショーガクセイ????」
そんなわけで私はA4のコピー用紙に予定を書いていく。
「えっと、朝…話してるだけっと」
「お嬢~、そこはうまく『会議』とか書くんでしょ~」
そう言って、黒で書いていた私の文字の上から、阿伏兎がピンクで『会議』と書いた。
「その色のチョイスは…」
「おもしろいから」
私は大まじめなのに、阿伏兎は遊んでいる。
「阿伏兎!これ、提出するんですよ?」
「だ~か~ら~…これでいいんじゃん。あ、この後17時まで修行っと。終わり☆」
「え~~~~~嘘くさくないですか」
「なんでよ」
「今までの生活態度から」
「本当のことなんて誰も書かねえよ、こんなの」
なんて二人で言い合っていると神威が、
「じゃあ午後3時、那美からマッサージしてもらおっと」
と神威が橙色で書き始めた。
「団長、セクハラです」
「そんで5時から9時まで阿伏兎にホットケーキ焼いてもらおっと♪」
「4時間も? どんだけハード????」
阿伏兎のその様子に、私たちちょっとSコンビはにやっと笑って、
「さーー修行だ!」
「あ~~いそがし!」
と、計画表を無造作に壁に貼り付けスクワットなどを始めた。
「おいおいマジでやるつもりかよ…」